エゴマ油について知っておきたい基礎知識
エゴマ油の基本的な特徴や栄養成分について詳しく紹介します。
エゴマ油の基礎知識を深めることで、エゴマ油の効果をより理解しやすくなるでしょう。
エゴマ油はシソ科の植物から生まれるオイル
エゴマ油は、シソ科のえごまの実から絞ったオイルです。見た目は青じそに似ており、古くからアジア各地で栽培されています。
日本では、エゴマを「ジュウネン」ともよび「食べると10年長生きする」という言い伝えが名前の由来となっています。
エゴマ油は栄養がたっぷり含まれている
エゴマ油には、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸が約60%含まれています。
α-リノレン酸は体内でDHAやEPAに変換され、コレステロールの改善やアレルギー症状の緩和など、さまざまな健康維持に役立つとされる成分です。
さらに、エゴマ油には抗酸化物質であるロスマリン酸も含まれ、抗酸化作用が期待されています。
エゴマ油は美容と健康に効果的!7つのエゴマ油効果
エゴマ油は、オメガ3系脂肪酸の一種である「α-リノレン酸」を豊富に含むことで知られており、美容や健康をサポートする成分が豊富に含まれた油です。
本章では、エゴマ油の具体的な7つの効果についてご紹介します。
1. 血液の流れをスムーズにする作用がある
エゴマ油には血液をサラサラにして、血流をスムーズにする作用があります。
エゴマ油に多く含まれるα-リノレン酸は、体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。
これらの成分は青魚に多く含まれており、血液の流れを良くする働きがあります。そのため、エゴマ油は血液の流れを改善する効果があるといわれているのです。
2. 肌の老化を防いでくれる
エゴマ油に含まれるオメガ3系脂肪酸が、肌に以下のような効果をもたらすと報告されています。
-
保湿効果:肌の保湿機能を改善するセラミドの材料になる
-
美肌効果:血液の流れをよくし、老廃物の排泄・代謝・血行促進を促す
食品から肌によい栄養を摂りたい方に、エゴマ油はおすすめです。
3. 脳の発達をサポートする
エゴマ油の成分は脳の発達にも関係します。
エゴマ油に含まれるα-リノレン酸は、体内でDHAに変換されます。
DHAは、脳の発達に非常に重要なことがわかっており、エゴマ油を生活に取り入れることで、脳の健康をサポートできるのです。
4. アレルギー症状を穏やかにする
エゴマ油に含まれるオメガ3系脂肪酸は、炎症を抑える働きがあり、アレルギー症状を穏やかにする可能性があります。
実際に、オメガ3系脂肪酸がアレルギー性結膜炎(花粉症)を改善させると報告されています。(1)
5. 生活習慣病の予防に役立つ
エゴマ油に含まれるオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)は、以下の作用から生活習慣病の予防に役立ちます。
-
中性脂肪の低下
-
動脈硬化の予防
-
血流を良くする
-
血の塊をできにくくする など
高齢者の認知機能や骨密度の維持にも効果が期待され、健康維持に欠かせない油として注目されています。
6. 体脂肪を減らす働きを持つ
エゴマ油には、脂肪の蓄積を抑える働きがあると報告されています。(2)
また、エゴマ油に豊富なα-リノレン酸には、体重増加や脂肪をつきにくくする効果があります。
エゴマ油を日々の食事に取り入れて、肥満予防や健康管理につなげましょう。
7. 腸内環境の改善をもたらす
エゴマ油に含まれるオメガ3系脂肪酸は、悪玉菌が増えるのを抑え、善玉菌が増えやすい環境を整える効果が期待されています。(3)
また、腸内の潤滑油として便通を促す働きもあります。
日々の食事にエゴマ油を取り入れることで、腸内環境の改善に役立つでしょう。
エゴマ油の効果はいつから実感できる?
エゴマ油の効果を実感できるまでには個人差がありますが、数週間から数ヶ月ほど継続して摂取することが大切です。
ある研究では、青身魚を2週間摂取した場合、血液中のEPAやDHAの量が増加すると報告されています。
しかし、魚の摂取を中止して2週間後には、EPAやDHAの量が低下することがわかっているため、EPAやDHAを安定して摂り続ける必要があります。
EPAやDHAの元となるα-リノレン酸を豊富に含むエゴマ油は、一定期間ではなく継続的に摂るのが大切です。(4)
エゴマ油の効果的な摂取方法と目安量
エゴマ油は、健康維持に欠かせないオメガ3系脂肪酸を手軽に補える食品です。
適切な量のエゴマ油を朝に摂ることで、その効果を最大限に活かすことができます。
エゴマ油の1日の推奨摂取量
エゴマ油が分類されるオメガ3系脂肪酸には、1日の推奨摂取量(g/日)が以下のように設定されています。(5)
年齢 |
男性の目安量 |
女性の目安量 |
18~29歳 |
2.0 |
1.6 |
30~49歳 |
2.0 |
1.6 |
50~64歳 |
2.2 |
1.9 |
65~74歳 |
2.2 |
2.0 |
75歳以上 |
2.1 |
1.8 |
推奨摂取量が決まっているのは、オメガ3系脂肪酸が体内で作ることができない「必須脂肪酸」であり、欠乏により皮膚炎の発症が報告されているためです。
体内で作ることのできない必須脂肪酸は、食事から摂る必要がありますが、エゴマ油なら小さじ1杯で、1日に必要なオメガ3系脂肪酸を摂ることができます。
効果的な摂取タイミング
エゴマ油は朝に摂るのが効果的です。
エゴマ油に含まれるオメガ3系脂肪酸は、朝に摂取することで効率的に吸収され、より高い効果が期待できます。
エゴマ油を朝食に取り入れることで、中性脂肪の低下やコレステロールの改善効果を最大限に引き出せるでしょう。
エゴマ油と亜麻仁油の違いと選び方
エゴマ油と亜麻仁油は、どちらも健康によい油として注目されています。それぞれの特徴やエゴマ油の選び方についてご紹介します。
エゴマ油と亜麻仁油の特徴を比較
エゴマ油と亜麻仁油は、どちらもオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含む植物油ですが、いくつかの違いがあります。
エゴマ油 |
亜麻仁油 |
|
原料 |
シソ科「荏胡麻」 |
アマ科「亜麻」 |
栽培地 |
東南アジア原産 |
寒い地域でよく育つ |
α-リノレン酸含有量(100g中) |
58g |
57g |
エゴマ油には、抗酸化作用をもつロスマリン酸が含まれている点も特徴の一つです。
また、α-リノレン酸の含有量にはわずかな違いがあるものの、エゴマ油も亜麻仁油も必須脂肪酸を手軽に摂取できる優れた食材です。
良質なエゴマ油の選び方
抽出方法や化学肥料を使っていないかなどを基準に、鮮度と品質にこだわると良質なエゴマ油を選びやすくなります。
選び方のポイント |
説明 |
非加熱抽出で作られている |
|
有機JASマークがある |
|
小分けになっている製品 |
|
エゴマ油を安全に摂取するための注意点
エゴマ油は健康によい効果をもたらす一方で、適切に摂取しないと栄養素が損なわれやすい食品でもあります。
適切な保存と摂取方法を守りましょう。
本章では、エゴマ油を安全に活用するための注意点について紹介します。
保存方法と使用時の注意
エゴマ油は酸化しやすい性質があります。
エゴマ油が酸化されると、過酸化脂質とよばれる物質が増え、動脈硬化やアルツハイマー型認知症のリスクが高まります。
保存の際は、酸化を防ぐために直射日光を避け、冷蔵庫で保管しましょう。
また、エゴマ油は加熱によって栄養素が損なわれやすいため、調理時には注意が必要です。
エゴマ油の摂取を控えた方がいい人
血液をサラサラにする抗凝固薬や血を固まりにくくする抗血小板薬を飲んでいる方は、エゴマ油の使用に注意が必要です。
エゴマ油に含まれているオメガ3系脂肪酸は、血液をサラサラにする作用があるため、出血のリスクが高まる可能性があります。
血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
エゴマ油を毎日の食事に取り入れるコツ
エゴマ油は、そのままかけるだけで使える手軽さが魅力です。
小さじ1杯程度で、オメガ3系脂肪酸の1日の摂取目安量を手軽に補えるため、日々の食事にエゴマ油を取り入れましょう。
エゴマ油で簡単ドレッシング
エゴマ油はドレッシングとしてそのまま使えるため、サラダにかけるだけで手軽にオメガ3系脂肪酸を摂取できます。
加熱すると、エゴマ油の豊富な成分が失われやすくなるため、加熱せずに生のままで使うことで、栄養素をそのまま効率よく摂れるのです。
サラダや温野菜にかけるだけで、毎日の食事に取り入れられます。
エゴマ油×ヨーグルトの相性抜群レシピ
エゴマ油をヨーグルトに混ぜることで、美容や健康をサポートするオメガ3系脂肪酸を手軽に摂取できます。
毎日のデザートや朝食にエゴマ油を取り入れてみましょう。
【材料】
-
ヨーグルト(無糖) 1カップ
-
エゴマ油 小さじ1
-
はちみつ 小さじ1
-
フルーツ(お好みで) 適量
【作り方】
-
ヨーグルトにエゴマ油と、はちみつを加えてよく混ぜます。
-
お好みのフルーツを加えて、さらに混ぜます。
エゴマ油とヨーグルトの相性は抜群で、オメガ3系脂肪酸とともに、美肌や健康をサポートします。
しかし、エゴマ油を摂取する際は、過剰摂取に注意が必要です。
脂質の摂取割合は、総エネルギーの20~30%が推奨されており、平均的な日本人の摂取割合は約28.9%です。(5)(6)
エゴマ油を追加する際は脂質の過剰摂取にならないよう、適量を守り、他の食品とバランスよく摂取しましょう。
エゴマ油で健康的な生活を始めよう
エゴマ油は、美容や健康をサポートする成分が豊富で、日常の食生活に取り入れることで多くのメリットが期待できます。
血液の流れをよくしたり、肌の老化を防いだり、幅広い効果が魅力で、毎日の食事に少しずつ取り入れるだけで、無理なく健康的な生活をはじめられます。
健康や美容に気を配りながら、エゴマ油を活用して新しい生活習慣をスタートしてみませんか?
この記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひエゴマ油を日常に取り入れてみてください。

参考文献
References
- オメガ3脂肪酸のアレルギー性結膜炎への改善効果を発見|順天堂大学
- 細山田康恵,山田正子 千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科 東京家政学院大学現代生活学部食物学科.亜麻仁油,エゴマ油を摂取したラットの肝臓脂質濃度と生体内酸化ストレスに及ぼす影響.日本補完代替医療学会誌,第18巻(第1号)23-28
- 橋本道男,蒲生修治 島根大学医学部 生理学講座環境生理学 明治薬科大学 病態生理学研究室,ω3系脂肪酸による認知症予防-Up to Date.オレオサイエンス,第22巻(第7号)327-335
- 魚摂取が血中脂質およびアディポカインに及ぼす効果|小川恒夫,川北久美子,竹之山愼一,小松洋一 南九州大学 管理栄養学科 生理学研究室 食品学研究室 応用栄養学研究室
- 日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省
- 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省
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