2024/12/23

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オメガ6脂肪酸は身体に悪い?オメガ3脂肪酸との違いや多く含まれる食品を紹介

医療編集チーム 医師

公開日

2024.12.20

最終更新日

2024.12.20

「オメガ6脂肪酸の摂取は健康に良い」という意見がある一方で、体に悪影響を及ぼすという声も聞かれます。 実際には、オメガ6脂肪酸は体に必要不可欠な必須脂肪酸(体内で作ることができず、食事から摂取する必要がある脂肪酸)であり、適切な摂取量とバランスを保つことで健康増進が期待できるのです。

本記事では、以下について解説します。

  • オメガ6脂肪酸の正しい知識

  • オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との関係

  • オメガ6脂肪酸の効果的な摂取方法

オメガ6脂肪酸について正しく理解し、ご自身の健康管理に活かしていきましょう。

 

オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸

オメガ6脂肪酸は体内で作ることができない必須脂肪酸で、細胞膜を構成する重要な成分です。

特にオメガ6脂肪酸の一種であるリノール酸は、日本人が食事から摂取するオメガ6脂肪酸の98%を占めているといわれています。(1)

食事摂取基準によると、オメガ6脂肪酸の中でも特にリノール酸(植物油に多く含まれる脂肪酸の一種)について、一般的に成人男性で1日当たり8~11g、成人女性で7~8gの摂取を推奨しています。(2)

また研究結果から、リノール酸にはコレステロール値を低下させる働きがあり、心血管系疾患のリスクを減少させる可能性が示唆されています。(3)

適切な量を継続的に摂取すれば、心血管系疾患をはじめとした生活習慣病の予防を期待できるでしょう。

 

オメガ6脂肪酸を多く含む食品

オメガ6脂肪酸(リノール酸)を多く含む食品は以下のとおりです。(4)

順位 食品名 成分量 (100gあたりmg)
1 サフラワー油 70,000
2 ぶどう油 63,000
3 ひまわり油 58,000
4 綿実油 54,000
5 とうもろこし油 51,000
6 大豆油 50,000
7 ラー油 43,000
8 くるみ(いり) 41,000
8 ごま油 41,000
10 調合油 34,000

 

このように、植物油に多く含まれています。

そのため、植物油を多く使ったスナック菓子やファストフードなどの加工食品の摂取に注意が必要です。

 

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の関係性

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸はどちらも必須脂肪酸で、体内で合成できず食事からの摂取が必要です。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は構造と機能が異なり、健康への影響もそれぞれの特徴があります。

種類 特徴 多く含まれる食品
オメガ6脂肪酸
  • 細胞膜の構成成分
    として重要な役割があり、
    成長や発達に関係がある
  • 適量の摂取では、
    心血管系の疾患の予防につながるが、
    過剰摂取は炎症を促進し、
    動脈硬化のリスクを高める
 

【代表例】

  • リノール酸(LA)
  • アラキドン酸(AA)
  • 植物油
  • 加工食品
オメガ3脂肪酸
  • 炎症を抑える作用があり、
    心血管疾患や関節リウマチの
    リスクを低下させる
  • 脳の健康をサポートし、
    認知機能の改善が期待できる
【代表例】
  • αーリノレン酸(ALA)
  • エイコサペンタエン酸(EPA)
  • ドコサヘキサエン酸(DHA)
  • 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)
  • アマニ油
  • えごま油

 

このように、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は異なった健康効果があり、適量の摂取が大切です。

次の章では、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスについて解説します。

 

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランス

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は、体内で同じ酵素を使用して代謝されるため、両者をバランスよく摂取するのが重要です。

理想的な比率はオメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=2:1が理想ですが、現代の食生活では比重が6~10:1となっていることが多く、オメガ6脂肪酸の摂取が過剰になっています。

そのため、オメガ3脂肪酸を意識して摂取しましょう。

前述したとおり、オメガ3脂肪酸は以下のものに多く含まれています。

  • 青魚

  • アマニ油

  • えごま油

ただ、青魚やアマニ油などを摂取する機会が少ない方も多いのではないでしょうか。そのような方には、オメガ3脂肪酸のサプリメントを摂取するのがおすすめです。

オメガ3脂肪酸を効率的に摂取するために、EPAとDHAがバランスよく配合されているサプリメントを摂取するようにしましょう。

 

日本人はオメガ6脂肪酸を摂りすぎている

現代の日本人は、オメガ6脂肪酸を過剰に摂取している傾向があります。なぜなら、産業革命以降、オメガ6脂肪酸に偏った西洋食が中心になったためです。

炒め物や揚げ物といった日々の食事で、無意識にオメガ6脂肪酸を過剰摂取しています。

前述したとおり、オメガ6脂肪酸は適量であれば心血管系疾患のリスクを減らしますが、過剰摂取すると炎症を引き起こし、動脈硬化のリスクを高めます。

そのため、普段の食事を茹で料理や蒸し料理にして植物油の使用を少なくしたり、加工食品を控えたりなど工夫するようにしましょう。

次の章で、オメガ6脂肪酸を上手に取るコツについて解説します。

 

オメガ6脂肪酸を上手に摂るためのコツ3選

オメガ6脂肪酸を上手に摂取するには、以下のポイントをおさえましょう。

  • バランスの良い食事を摂る

  • サプリメントを活用する

  • 加工食品を控える

以下より、詳しく解説します。

 

1. バランスの良い食事を摂る

前述した通り、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の理想的な比率は2:1です。

バランスよく摂取するために、オメガ6脂肪酸が多く含まれている植物油を適量におさえ、青魚やアマニ油などのオメガ3脂肪酸を取り入れるように意識して摂取量を増やしていくといいでしょう。

記事の最後にに、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスが取れた簡単なレシピを紹介します。

 

2. サプリメントを活用する

オメガ6脂肪酸を食事から十分に摂取できない場合、サプリメントを摂取してもいいでしょう。ただし、サプリメントはオメガ3脂肪酸とのバランスを考慮した製品を選んでください。

オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスが偏ってしまうと、心血管系疾患のリスクが増える恐れがあります。

サプリメントの中には、オメガ3・6・9がバランスよく配合されている商品もあります。

詳細はこちらをご覧ください。

 

3. 加工食品を控える

加工食品やファストフードには、オメガ6脂肪酸が多く含まれる植物用が使用されており、過剰摂取の原因になります。

特に、揚げ物やスナック菓子はオメガ6脂肪酸が豊富なため、できるだけ油を多く使った料理や食品は控えましょう。

なるべく、自然な食材を使った料理を心掛けると、オメガ6脂肪酸の摂取を抑えられます。

 

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスが取れた簡単なレシピ

 

サバ缶と白菜の簡単煮込み

材料(2人分)

  • サバ缶(水煮):1缶

  • 白菜:200g(ざく切り)

  • にんじん:1/2本(薄切り)

  • しょうゆ:小さじ2

  • みりん:小さじ1

  • ごま油(香りづけ程度):小さじ1/2

  • えごま油(仕上げ用):小さじ1

 

作り方

  1. 鍋に白菜とにんじんを入れ、サバ缶を汁ごと加える。

  2. しょうゆとみりんを入れ、野菜が柔らかくなるまで中火で煮込む。

  3. 仕上げにごま油を少量加えて香りづけし、火を止める。

  4. 器に盛りつけ、仕上げにえごま油を少量たらして完成。

サバ缶はオメガ3脂肪酸が豊富な食材の1つです。

煮込み料理にして、極力、オメガ6脂肪酸をおさえたレシピになっています。

 

納豆といわし缶の和風パスタ

材料(2人分)

  • スパゲッティ:160g

  • いわし缶(味付け不要の水煮がおすすめ):1缶

  • 納豆:1パック

  • 青ねぎ(小口切り):適量

  • 醤油:小さじ2

  • みりん:小さじ1

  • オリーブオイル:小さじ2

  • 白ごま:小さじ1

 

作り方

  1. スパゲッティを表示時間より1分短く茹でる。

  2. フライパンにオリーブオイルを熱し、いわし缶の中身をほぐしながら加熱。

  3. 茹でたスパゲッティをフライパンに加え、醤油とみりんで味を整える。

  4. 火を止めて納豆を加え、軽く混ぜる。

  5. 器に盛り、青ねぎと白ごまをふりかけて完成。

イワシ缶にはオメガ3脂肪酸が、納豆にはオメガ6脂肪酸が含まれており、バランスの取れたレシピになっています。ただ、オリーブオイルも使用するため、オメガ6脂肪酸の摂取量が気になる方は使用量を減らしても良いでしょう。

 

オメガ6脂肪酸を適度に摂って健康的に過ごそう

オメガ6脂肪酸の摂取は健康に良い反面、現代の日本人は過剰摂取している傾向にあります。

特に、加工食品やファストフードにはオメガ6脂肪酸が多く含まれているため、なるべく控えるようにしてください。

オメガ6脂肪酸を適切に摂取するには、オメガ3脂肪酸とのバランスが重要となります。植物油に多く含まれるオメガ6脂肪酸は、青魚やアマニ油などのオメガ3脂肪酸が豊富な食材と組み合わせて摂取すると、より効果的です。

オメガ6脂肪酸の適切な摂取により、生活習慣病の予防も期待できるでしょう。なお、オメガ3・6・9がバランス良く配合されたサプリメントの活用もおすすめです。

気になる方はぜひチェックしてみてください。

ヘルス医療編集チームは、医師や医療関連の専門家が集まり、最新の医療知識をわかりやすく、日常生活に役立つ形でお届けしています。私たちの目標は、正しい医療情報をシンプルに伝え、皆さんが健康的な生活を実践できるようサポートすることです。

参考文献

References

https://www.health-college.com/article/omega6