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オメガ3が多い油ランキングTOP10!健康にいい油の選び方と摂取方法を解説

栄養編集チーム 管理栄養士
公開日
2025.04.10
最終更新日
2025.04.14
オメガ3脂肪酸を含む食品が多く、どれを選べばよいか迷う方は少なくありません。できるだけ多くの植物油や魚油の種類を知りたいと考える方も多いでしょう。
本記事では、オメガ3脂肪酸が多く含まれる油をランキング形式でご紹介します。
健康や美容への効果、摂取量の目安についても解説するため、ご自身に合った油選びの参考にしてください。
オメガ3が豊富な油を植物油・魚由来でランキング形式で発表
本章では、文部科学省が公開している食品成分データベースをもとに、オメガ3脂肪酸が豊富な油を植物油、魚由来の食材に分けてランキング形式でご紹介します。(1)
オメガ3が豊富な植物油ランキング
オメガ3脂肪酸が豊富に含まれる植物油は、以下のとおりです。
順位 |
食品名 |
成分量(100gあたりmg) |
1 |
油脂類/(植物油脂類)/えごま油 |
58,000 |
2 |
油脂類/(植物油脂類)/あまに油 |
57,000 |
3 |
種実類/えごま/乾 |
24,000 |
4 |
種実類/あまに/いり |
24,000 |
5 |
種実類/チアシード/乾 |
19,000 |
6 |
種実類/くるみ/いり |
9,000 |
7 |
油脂類/(植物油脂類)/なたね油 |
7,500 |
8 |
油脂類/(植物油脂類)/調合油 |
6,800 |
9 |
油脂類/(植物油脂類)/大豆油 |
6,100 |
10 |
調味料及び香辛料類/<調味料類>/(ドレッシング類)/半固形状ドレッシング/マヨネーズ/全卵型 |
5,500 |
出典:文部科学省 食品データベース
植物由来のオメガ3脂肪酸は、主に種子から摂れる油やチアシードやクルミなどに豊富に含まれています。
特にえごま油や亜麻仁油はオメガ3脂肪酸の含有量が高く、近年ではスーパーでも手に入りやすくなっているため、手軽に取り入れやすいのが魅力です。
これらの油には、体内でEPAやDHAへと変化するα‐リノレン酸が豊富に含まれています。
なお、えごま油と亜麻仁油は熱に弱いため、加熱せずドレッシングやヨーグルトに混ぜると取り入れやすいです。
オメガ3が豊富な魚ランキング(EPA)
EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれる食品は以下のとおりです。
順位 |
食品名 |
成分量(100gあたりg) |
1 |
油脂類/(動物油脂類)/たらのあぶら |
13,000 |
2 |
肉類/<畜肉類>/くじら/本皮/生 |
4,300 |
3 |
魚介類/<魚類>/あんこう/きも/生 |
3,000 |
4 |
肉類/<畜肉類>/くじら/うねす/生 |
2,200 |
4 |
魚介類/<魚類>/やつめうなぎ/干しやつめ |
2,200 |
6 |
魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/すじこ |
2,100 |
7 |
魚介類/<魚類>/(さば類)/たいせいようさば/生 |
1,800 |
7 |
魚介類/<魚類>/あゆ/養殖/内臓/焼き |
1,800 |
7 |
魚介類/<魚類>/(いわし類)/缶詰/かば焼 |
1,800 |
10 |
魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/みなみまぐろ/脂身/生 |
1,600 |
10 |
魚介類/<魚類>/(さば類)/たいせいようさば/水煮 |
1,600 |
10 |
魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/イクラ |
1,600 |
10 |
魚介類/<魚類>/あゆ/養殖/内臓/生 |
1,600 |
出典:文部科学省 食品データベース
EPAは、血液をサラサラにする働きがあり、動脈硬化の予防に効果が期待できます。さばやいわしなどの青魚に多く含まれており、普段の食事のメニューにも取り入れやすいのが特徴です。
オメガ3が豊富な魚(DHA)ランキング
DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれる食品は以下の通りです。
順位 |
食品名 |
成分量(100gあたりg) |
1 |
油脂類/(動物油脂類)/たらのあぶら |
6200 |
2 |
魚介類/<魚類>/あんこう/きも/生 |
5100 |
3 |
魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/みなみまぐろ/脂身/生 |
4000 |
4 |
肉類/<畜肉類>/くじら/本皮/生 |
3400 |
5 |
魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/くろまぐろ/天然/脂身/生 |
3200 |
6 |
魚介類/<魚類>/やつめうなぎ/干しやつめ |
2800 |
7 |
魚介類/<魚類>/(さば類)/加工品/開き干し |
2700 |
8 |
魚介類/<魚類>/(さば類)/たいせいようさば/生 |
2600 |
9 |
魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/すじこ |
2400 |
10 |
魚介類/<魚類>/あゆ/養殖/内臓/焼き |
2300 |
10 |
魚介類/<魚類>/(さば類)/たいせいようさば/水煮 |
2300 |
10 |
魚介類/<魚類>/(さば類)/加工品/しめさば |
2300 |
出典:文部科学省 食品データベース
DHAは、脳機能の維持に重要な役割を果たしており、まぐろやさば、さけなどに多く含まれています。
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そもそもオメガ3の健康効果は?
オメガ3脂肪酸は健康に欠かせない必須脂肪酸の一種で、以下のように分類されます。
オメガ3脂肪酸 |
魚由来 |
|
植物由来 |
α-リノレン酸 など |
オメガ3脂肪酸は、脳や心臓、自律神経の調節などに関する作用が多くの研究で報告されており、健康へのさまざまな効果が期待されている栄養素です。
本章では、オメガ3脂肪酸に期待される6つの健康効果について解説します。
脳の健康を保つ
オメガ3脂肪酸の中でも、DHAは脳の健康維持に役立ちます。
DHAには、次のような働きがあります。
-
脳内の神経を新しく作る
-
情報伝達に必要なシナプスを形成する
-
神経細胞の分化を促す など
これらの作用により、DHAは脳の機能を維持するうえで重要な役割があります。
心血管系疾患の予防
魚を多く食べる人は、心筋梗塞のリスクが低いです。
ある研究では、魚を週に8回食べる人は、1回しか食べない人と比べて心筋梗塞の発症リスクが約6割低いという報告があります。(2)
さらに、魚に含まれるオメガ3脂肪酸の一種であるEPAには、血液をサラサラにする作用があり、動脈硬化をはじめとする心血管疾患の予防に役立ちます。
健康的な肌や髪を保つ
オメガ3脂肪酸には皮膚のアレルギーを抑える作用が報告されており、健康的な肌の維持に役立ちます。
必須脂肪酸が不足すると、皮膚の乾燥や脱毛を引き起こすため、肌や髪の状態を保つには、必要量の摂取が欠かせません。
うつ予防や自律神経を調整する
オメガ3脂肪酸には精神面や自律神経に関わる作用もあると報告されています。
主な効果は、以下のとおりです。
-
うつ症状の軽減
-
不安の緩和
-
自律神経の興奮を抑える
うつ病には、慢性的な炎症が関係すると考えられており、オメガ3脂肪酸がもつ抗炎症作用が改善に役立つ可能性があります。
また、ノルアドレナリンやドーパミンなど、情動に関わる神経の働きを調節する作用もあります。
視力を守る
オメガ3脂肪酸には視力の維持に関わる効果も期待されています。
EPAやDHAが加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)という60歳以上の方に多く見られる、視力低下を引き起こす病気の発症リスクを下げると報告されており、視力の低下を防ぐためにも有効です。
脂肪を燃焼しダイエットをサポートする
オメガ3脂肪酸の一種であるEPAやDHAには、脂肪を分解して熱に変える「脂肪燃焼細胞」を増やす作用があります。
また、魚油と筋肉に関する研究によると、EPAは持久力が求められるスポーツで重要な遅筋の割合を増やし、全身の脂質代謝や筋肉の機能を向上させることが明らかになっています。
オメガ3脂肪酸を適切に摂取すると脂肪の燃焼が促され、ダイエットのサポートにもつながるといえるでしょう。
参考:
オメガ3の一日の目安摂取量と注意点
オメガ3脂肪酸は、目安摂取量を意識して摂るようにしましょう。
調理方法によって、栄養素が失われやすくなるため、注意が必要です。
オメガ3の目安摂取量は男性2.2~2.3g、女性1.7~2.0g
厚生労働省の示す食事摂取基準によると、オメガ3脂肪酸の1日あたりの目安摂取量は以下のように設定されています。(3)
性別等 |
1日あたりの摂取目安量 |
成人男性 |
2.2~2.3g |
成人女性 |
1.7~2.0g |
妊娠中・授乳中の人 |
1.7g |
たとえば、1gのオメガ3脂肪酸を食事から摂る場合、以下の量が必要です。
-
ぶり(はまち)の刺身:4.7切れ
-
かつおのたたき:9.1切れ
食事だけで目安量を摂り切れない場合は、サプリメントを活用するとよいでしょう。
また、必須脂肪酸にはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸があり、2種類の脂肪酸をバランス良く摂らなくてはなりません。
オメガ3脂肪酸を1とした場合、オメガ6脂肪酸が2~4のバランスになるのが理想的です。
オメガ3は加熱NG!酸化を防ぐには低温調理がベスト
オメガ3脂肪酸は熱に弱く、加熱すると栄養が失われてしまうため低温調理がおすすめです。
実際に、さんまを丸ごと加熱調理すると、EPAやDHAは20~50%ほど失われてしまいます。
調理法 |
DHA、EPAの損失 |
---|---|
グリル焼き フライパン焼 |
約20% |
揚げ調理 |
約50% |
また、オメガ3脂肪酸は酸化すると過酸化脂質へと変化し、動脈硬化や認知症を引き起こす要因になる可能性があります。
オメガ3脂肪酸の栄養をしっかり摂るには、加熱せずそのまま使用するのがポイントです。ドレッシングとして使用したり飲み物に混ぜたりすると取り入れやすいでしょう。
また、保存する際は冷暗所に置き、開封後は早めに使い切ることが酸化を防ぐポイントです。
オメガ3は一度にたくさん摂るより、毎日続けることが大切
オメガ3脂肪酸を1日3g以上摂ると出血のリスクが高まるため、摂りすぎには注意しましょう。
オメガ3脂肪酸の健康効果を最大限に得るには、一度にたくさん摂るよりも、必要な量を毎日続けて摂ることが大切です。
オメガ3を効率よく摂るなら、油・魚・サプリメントを使い分けるのがおすすめ
オメガ3脂肪酸は選ぶ油や食材によって含有量が異なります。
毎日、目安量を継続して摂ることが、健康的な生活を送るうえで欠かせません。
オメガ3脂肪酸は、魚や植物油などの食品からも摂取できますが、調理や保存の手間、酸化のリスクなどから、毎日取り入れるのが難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
一方、サプリメントであれば、手軽に必要な量を摂取できるうえ、品質や成分が管理されている点が安心です。
体内では合成できないオメガ3脂肪酸を効率よく取り入れるために、信頼できるサプリメントを選び、健康管理に役立ててください。
ヘルスカレッジ栄養編集チームは、管理栄養士や食の専門家が集まり、最新の栄養情報をわかりやすく、毎日の生活に役立つ形でお届けしています。
私たちの目標は、栄養に関する知識をシンプルに説明し、皆さんが健康的な食生活を楽しみながら実践できるようサポートすることです。

参考文献
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