2024/12/23

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オメガ3脂肪酸の含有量が多い食品ランキング!管理栄養士は一番おすすめの食品は?

栄養編集チーム 管理栄養士

公開日

2024.12.11

最終更新日

2024.12.11

「オメガ3脂肪酸」という言葉を聞いたことはありますか?オメガ3脂肪酸がどのような物か、多く含む食品は何かを詳しく解説していきます。管理栄養士おすすめの食品も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

体にいいと聞いたことがあるけど詳しいことはわからない、という人も多いかもしれません。

オメガ3脂肪酸は、摂取することで健康にいい影響があると考えられている栄養素です。必須脂肪酸として摂取が推奨されている栄養素の1つですから、普段の食事でオメガ3脂肪酸を上手に取り入れていきましょう。

 

オメガ3脂肪酸とは?

オメガ3脂肪酸は、脂質を構成する成分「多価不飽和脂肪酸」の1種です。

細胞膜を形成する成分として知られているだけでなく、摂取することで血液をサラサラにする、LDLコレステロールを減少させるといった様々なメリットがあると考えられています。(1)

オメガ3脂肪酸は健康に生活する上で欠かせない栄養素の1つですが、人間の体内では生成することができません。そのため、必須脂肪酸として摂取が勧められています。

 

オメガ3脂肪酸の種類と効果

オメガ3脂肪酸は、植物由来のもの(α-リノレン酸)と動物由来のもの(EPA・DHA)に分けられます。

ここでは、代表的なオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸、EPA、DHAについてそれぞれ解説していきます。

 

α-リノレン酸

α-リノレン酸は、ナッツ類をはじめとした植物性食品の油に多く含まれるオメガ3脂肪酸の1種です。

α-リノレン酸は体内でEPA・DHAに変換されて利用されますが、変換率は高くないという問題があります。(2)

とはいえ、α-リノレン酸を摂って損をすることはありません。バターなど動物性の油ばかり食べているという方は、植物性の油に変えることをおすすめします。

 

EPA

EPAは、青魚を中心とした魚介類の油に多く含まれるオメガ3脂肪酸の1種です。
オメガ3脂肪酸に関する研究の多くがEPAとDHAに重点を置いており、様々な研究で健康へのいい影響が示唆されています。

EPAは体内において、LDLコレステロールを減少させて生活習慣病のリスクを低下させる、炎症を抑える、皮膚の健康を維持するといった働きをしていると考えられています(1)

 

DHA

DHAは、EPAと同じく魚介類の油に多く含まれるオメガ3脂肪酸の1種です。

脳を構成する神経組織の構成成分であり(3)、不足することで学習機能が低下する可能性があると考えられています。また、LDLコレステロールを減少させる働きがあることから、生活習慣病の予防に有効であるとされています。

 

オメガ3脂肪酸はどのくらい摂ればいいの?

表1.オメガ3脂肪酸の摂取目安量(g /日)(1)

年齢 男性 女性
0~5ヶ月 0.9 0.9
6~11月 0.8 0.8
1~2歳 0.7 0.7
3~5歳 1.2 1.0
6~7歳 1.4 1.2
8~9歳 1.5 1.4
10~11歳 1.7 1.7
12~14歳 2.2 1.7
15~17歳 2.2 1.7
18~29歳 2.2 1.7
30~49歳 2.2 1.7
50~64歳 2.3 1.9
65~74歳 2.3 2.0
75歳以上 2.3 2.0

 

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、表1のようにオメガ3脂肪酸の摂取目安量が定められています。

成人男性であれば2.2~2.3g / 日、成人女性であれば1.7~2.0g / 日の摂取を目標にしましょう。

オメガ3脂肪酸の摂取量に上限は定められていませんが、脂質の摂りすぎはよくありません。

オメガ3脂肪酸を多く含んでいる食品にも飽和脂肪酸(肉類などに含まれる脂肪酸の1種で、健康によくないとされている)は含まれていますから、過剰摂取にならないよう気を付けてください。

普段から脂質を多く摂取しているという方は、「摂取する油の質を変える」ことを意識してみましょう。肉を魚に、バターをマーガリンにといったようにオメガ3脂肪酸を含む食品に置き換えることで、健康にいい影響が期待できます。

 

オメガ3脂肪酸を多く含む食品ランキング

ここではオメガ3脂肪酸を多く含む食品をランキング形式でご紹介します。

ただし、可食部100gあたりにどの程度オメガ3脂肪酸が含まれているかを比較したランキングであることには注意してください。

 

オメガ3脂肪酸を多く含む魚介類Top10

表2.オメガ3脂肪酸を多く含む魚介類ランキング(4)

順位 食品名 オメガ3脂肪酸
(g / 可食部100g)
1 あんこう きも 生 10.00
2 くろまぐろ 養殖 脂身 生 8.14
3 みなみまぐろ 脂身 生 6.77
4 やつめうなぎ 干しやつめ 6.66
5 たいせいようさば 生 6.56
6 しろさけ すじこ 5.83
7 あゆ 養殖 内臓 焼き 5.80
8 さんま 皮つき 生 5.59
9 しろさけ いくら 4.70
10 さんま みりん干し 3.90

 

魚の油に多く含まれるオメガ3脂肪酸はEPAとDHAです。魚介類のなかでも「青魚」と呼ばれる魚には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれていますよ。

魚介類で気になるのは、加熱して食べてもいいのかということです。「オメガ3脂肪酸を摂取するなら生で食べる方がいい」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

一般的な加熱調理(揚げ物を除く)では魚に含まれるオメガ3脂肪酸が大きく変化することはないという研究結果があります。(5)生魚が苦手な方は、無理せず加熱調理したものを食べてください。

 

オメガ3脂肪酸を多く含む植物性食品Top10

表3.オメガ3脂肪酸を多く含む植物性食品ランキング(4)

順位 食品名 オメガ3脂肪酸(g / 可食部100g)
1 えごま油 58.31
2 亜麻仁油 56.63
3 えごま 乾 23.70
4 あまに いり 23.50
5 チアシード 乾 19.43
6 くるみ いり 8.96
7 なたね油 7.52
8 調合油 6.81
9 大豆油 6.10
10 あさ 乾 4.74

 

植物性食品に多く含まれるオメガ3脂肪酸はα-リノレン酸です。植物性食品の中でも、油脂類やナッツ類に多く含まれています。

オメガ3脂肪酸を多く含む油脂類は酸化しやすく、長期保存に向きません。冷暗所で保存し、短期間(開封してから1ヶ月~2ヶ月が目安)で使い切るようにしましょう。

酸化した油には変なにおいがする、風味が悪くなる、ドロっとしているといった特徴があります。いつもと違うなと感じたら使用を控えてください。

 

管理栄養士おすすめのオメガ3食品10選

ランキングでご紹介した食品は入手方法や食べ方がわからない、という人も多いのではないでしょうか。

ここでは、入手のしやすさと食べやすさを考慮して管理栄養士が厳選した「オメガ3脂肪酸を多く含む食品」を10個ご紹介します。おすすめの食べ方も解説もしていきますので、ぜひ参考にしてください。

 

1. イワシ

手ごろな価格で購入できる青魚の1種、イワシ。季節によらず1年中入手しやすいのも嬉しいポイントです。

煮つけやつみれ汁はいつでもおいしく食べられる定番料理です。旬(6月~10月)のマイワシは脂がのっていて、お刺身で食べてもおいしいですよ。

スーパーでよく販売されているマイワシだと、1食(100g)あたり約2.1gのオメガ3脂肪酸が摂取できます。

 

2. 鮭(サーモン)

1年中入手しやすく、手軽においしく食べられる鮭。焼き鮭はもちろん、ムニエルや鍋の具材にしてもおいしいですよ。市販のお弁当や定食にもよく使用されていますから、普段料理をしないという方にもおすすめの食品です。

鮭とサーモンの大きな違いは、生食できるかどうかです。鮭として売られているものは生食に向きません。お刺身で食べる場合、サーモンと書かれたものを購入するようにしてください。

焼き鮭1切れで約0.9g、サーモンのお刺身1食(80g)で約2.0gのオメガ3脂肪酸が摂取できます。

 

3. サバ

青魚の定番、サバ。サバは足がはやく、生食には向きません。塩焼きや味噌煮など加熱調理をして食べましょう。

サバはお惣菜や缶詰としても販売されています。調理の手間を省いておいしく食べられるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

サバは1食(80g)で約2.4gのオメガ3脂肪酸が摂取できますよ。

 

4. サンマ

秋の味覚であるサンマ。旬(9月~11月)の季節になるとスーパーで目にすることが多い青魚です。定番は塩焼きですが、新鮮なサンマは刺身で食べてもおいしいですよ。

旬の季節以外は目にすることが少ない魚ですが、みりん干しなどの干物は1年中販売されています。オメガ3脂肪酸も豊富に含まれているので、サンマの干物もぜひ試してみてくださいね。

塩焼き1尾で約4.9g、みりん干し1尾で約3.9gのオメガ3脂肪酸が摂れます。

 

5. ぶり

冬が旬の青魚、ぶり。骨が少なく食べやすいので、「魚は食べにくくて苦手」という方にもおすすめの魚です。

天然ぶりは入手できる季節が限られますが、養殖ぶりは1年を通して販売されています。養殖ぶりは品質が安定しており、いつでもおいしく食べられますよ。

定番はぶり大根や照り焼きです。脂がのった寒ぶりはお刺身で食べてもおいしいですよ。ぶりは1切れで約2.5gのオメガ3脂肪酸を含んでいます。

 

6. マグロ

1年中入手しやすく、生でも美味しく食べられるマグロ。代表的な魚の1種で人気も高いですが、値段が高めなのが難点です。キハダマグロやビンナガマグロは比較的安価で手に入るので、スーパーに行ったらチェックしてみてください。

お刺身が定番ですが、他にもネギトロ丼や漬けマグロなど様々な食べ方が楽しめます。軽く焼いてステーキにしてもおいしいですよ。

マグロは部位によって含まれるオメガ3脂肪酸の量が大きく異なります。1食分(70g)のお刺身につき、赤身で約0.1g、大トロで約4.1gのオメガ3脂肪酸が含まれています。オメガ3脂肪酸を摂るなら、赤身よりも中トロや大トロを選びましょう。

 

7. 亜麻仁油

亜麻仁油は、亜麻という植物の種子から抽出した油です。独特の風味と苦味があり、好みがわかれやすい食品です。食べたことがない方は少量から試してみてくださいね。

亜麻仁油の風味が気になるという方には、亜麻仁油を小さじ1杯ほど野菜ジュースに入れて飲むのをおすすめします。

独特の風味が緩和されて飲みやすくなるだけでなく、亜麻仁油が野菜ジュースに含まれる脂溶性ビタミンの吸収を助けてくれるので、栄養素の面からもおすすめの組み合わせです。小さじ1杯で約2.3gのオメガ3脂肪酸が摂取できますよ。

加熱調理には向かない油なので、完成した料理にかけて召し上がってください。

 

8. えごま油

えごま油は、シソ科の植物えごまの種子から抽出した油です。亜麻仁油よりもクセが少なくマイルドな味わいで、様々な料理に合わせやすい油と言えるでしょう。

味噌汁やサラダ、ジュースなどに小さじ1杯をかけて食べるのがおすすめです。お好みのお酢と合わせてドレッシングにしてもおいしく食べられますよ。小さじ1杯で摂取できるオメガ3脂肪酸は約2.3gです。

加熱調理には向かない油なので、完成した料理にかけて召し上がってください。

 

9. くるみ

くるみは料理に使ってもおいしく食べられますが、間食としてそのまま食べるのもおすすめです。普段から間食としてお菓子を食べているという方は、お菓子をくるみに変えてみましょう。

くるみは1日で25g(7~10粒が目安)ほど食べることをおすすめします。25gでオメガ3脂肪酸が約2.2g摂取できますよ。

ただし、くるみは食物アレルギーの原因となる食品の1つでもあります。かゆみや腫れといった違和感が生じた場合、自己判断をせず医療機関を受診してください。

 

10. チアシード

チアシードはシソ科の植物の種で、水分を含むとゼリー状になる食品です。無味無臭でクセがなく、プルプルとした食感が楽しめます。

様々な料理に混ぜて楽しめますが、手軽に摂取するならジュースに混ぜて飲むのがおすすめです。1日の目安量は水に戻す前の状態で大さじ1杯ほど。これだけで約1.9gのオメガ3脂肪酸が摂取できますよ。

水に浸してから食べられるようになるまで12時間ほどかかる場合もあるので、事前に準備しておきましょう。

 

まとめ

健康に生活する上で欠かせない栄養素の1つであるオメガ3脂肪酸。オメガ脂肪酸は、青魚を中心とした魚介類や植物性食品に多く含まれています。

「肉を魚に」「間食のお菓子をくるみに」といったように、普段食べているものをオメガ3脂肪酸を含む食品に置き換えてみましょう。えごま油や亜麻仁油を料理にかけて食べるのもおすすめです。

少し意識するだけでも、簡単にオメガ3脂肪酸の摂取量を増やすことができますよ。

この記事を参考に、ぜひ自分にあった食品を取り入れてみてください。

ヘルスカレッジ栄養編集チームは、管理栄養士や食の専門家が集まり、最新の栄養情報をわかりやすく、毎日の生活に役立つ形でお届けしています。私たちの目標は、栄養に関する知識をシンプルに説明し、皆さんが健康的な食生活を楽しみながら実践できるようサポートすることです。

参考文献

References

https://www.health-college.com/article/omega3-foods-ranking