2025/3/12

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フィッシュオイルの効果を徹底解説!選び方や飲み方を紹介

栄養編集チーム 管理栄養士

公開日

2025.02.14

最終更新日

2025.02.14

「中性脂肪やコレステロールが気になる」

「年を取っても健康でいたい」

このような悩みを持つ方には、フィッシュオイルがおすすめです。フィッシュオイルは、心血管系疾患のリスクの減少やうつ病の改善といった体にうれしい効果が期待できるサプリメントです。(2)(6)(7)

フィッシュオイルを生活に取り入れるために、まずはフィッシュオイルの正しい知識を身に付けるところからはじめましょう。

 

フィッシュオイルの効果5選

フィッシュオイルは、以下のようなたくさんの効果が期待できるサプリメントです。

  1. 心血管系疾患のリスク減少

  2. 脳機能の維持、改善

  3. 抗炎症作用

  4. うつ病や不安症状の改善

  5. 視力の保護

フィッシュオイルの具体的な効果について、それぞれ詳しく解説します。

 

1. 心血管系疾患のリスク減少

フィッシュオイルの成分であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、心血管系疾患の予防に効果的です。

狭心症や心筋梗塞など心血管系疾患の原因には、動脈硬化で血管が狭くなることやドロドロの血液で血管が詰まりやすくなることがあります。

DHAやEPAは、狭くなった血管やドロドロの血液を解消する働きがあるため、心血管系疾患の予防につながります。(1)(2)

血液をサラサラにしたい方は、フィッシュオイルを取り入れるとよいでしょう。

 

2. 脳機能の維持、改善

フィッシュオイルに含まれているDHAは、脳に作用し脳機能の維持や改善にも役立ちます。

DHAは、学習や記憶などをつかさどる部分にアプローチし、認知機能を改善する働きがあります。胎児や赤ちゃんの脳の発育にも大切な役割を果たす脂肪酸です。(1)(3)

脳の細胞膜に含まれるDHAは脳の働きに関係しているといわれています。フィッシュオイルを利用すれば気軽に認知機能の低下を予防できるでしょう。

 

3. 抗炎症作用

フィッシュオイルに含まれているEPAやDHAなどのオメガ3系脂肪酸は、炎症を抑制する効果も期待できます。

EPAやDHAは、炎症の原因となるプロスタグランジンを減らす作用があり、気管支喘息や皮膚のアレルギー反応の抑制に効果的です。(4)(17)(20)

気管支喘息やアレルギー症状などに悩んでいる方は、フィッシュオイルを取り入れることで症状の改善が期待できます。

また、今後は炎症の抑制だけではなく、痛みのコントロールや再生医療など多くの分野への展開が期待されている作用です。(5)

 

4. うつ病や不安症状の改善

フィッシュオイルの抗炎症作用は抑うつ症状の改善にも効果的です。

うつ病は、慢性的な炎症が関係しているとされる疾患です。EPAの抗炎症作用が、慢性炎症にアプローチするといわれています。

また不安症状に対しても、オメガ3脂肪酸が不安症状の軽減に関連を示したとの報告もあり、改善効果が期待できるでしょう。(6)(7)(8)

メンタル面に心配のある方は、フィッシュオイルの利用で少しでも心が楽になるかもしれません。

 

5. 視力の保護

フィッシュオイルは、視力の保護に効果的だといわれています。オメガ3系脂肪酸(特にDHA)が網膜の健康に作用するためです。

DHAはもともと網膜に存在する脂肪酸ですが、減少すると目の網膜の中心(黄斑)が傷み、物がゆがんで見える「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」や視力低下など、網膜の機能に何らかの影響を及ぼします。

しかし、DHAは視覚機能にとって重要な脂肪酸です。フィッシュオイルでDHAを補えば、視力の保護や向上も目指せるでしょう。(9)

 

フィッシュオイルの主要成分はEPAとDHA

フィッシュオイルは、EPAとDHAを主な成分とするサプリメントです。オメガ3系脂肪酸のEPAやDHAを多く含むため、健康によいと注目されています。

  • サバ

  • いわし

  • さんま など

上記のような青魚に多く含まれています。(10)

 

EPAやDHAには、健康によい多くの効果が期待できる一方で、青魚が食べられない方も少なくありません。

フィッシュオイルは、魚由来のサプリメントのため、魚特有の臭いや成分が含まれています。青魚が苦手な方やアレルギーの方がフィッシュオイルを取り入れる際は、十分注意しましょう。

また、オメガ3系脂肪酸の継続的な摂取は、血栓症や動脈硬化の予防につながります。

青魚を毎日食べるのは大変ですが、サプリメントであるフィッシュオイルを利用すれば、毎日気軽にオメガ3脂肪酸を取り入れられるでしょう。(18)

 

失敗しないフィッシュオイルの選び方

フィッシュオイル選びに失敗しないためには、以下のポイントを押さえましょう。

  • EPA・DHAの含有量

  • 酸化防止対策がされているか

  • 添加物や安全性への配慮

  • 価格と続けやすさ

詳しい内容をそれぞれ解説します。

 

EPA・DHAの濃度

フィッシュオイルに含むDHAやEPAについては、含有量だけでなく「濃度」も重要なポイントです。

濃度とは、サプリメント1粒あたりに含まれるオメガ3脂肪酸(主にDHAとEPA)の割合を指します。

濃度が高いフィッシュオイルほど、1粒で摂取できるDHAとEPAの量が増え、余分な脂肪酸や油を摂取することなく効率的にオメガ3脂肪酸を摂取できます。

一方、濃度が低いフィッシュオイルでは、必要なオメガ3脂肪酸を十分に摂取するために多くの粒数を摂る必要があり、余計な脂肪酸を摂取してしまう可能性があります。

これにより、DHAやEPAの健康効果を十分に実感できない場合もあります。

そのため、DHAやEPAを摂取する際は、含有量とともに、フィッシュオイルのオメガ3脂肪酸またはDHA+EPAの濃度をしっかりと確認することが大切です。

 

EPA・DHAの含有量

自分に合ったEPAとDHAの含有量のものを選びます。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が示す、成人に望ましいEPAやDHAをはじめとするオメガ3脂肪酸の1日の摂取量は、男性2.2g、女性1.7gです。

フィッシュオイルの種類によって、EPAとDHAの含有量は異なります。

自分の食事を考えて、どの程度サプリメントから補う必要があるのか考えましょう。(11)

なお、EPA・DHAのサプリの中には、含有量が少ないサプリもあります。

含有量が少ないサプリの場合、EPAやDHA以外のオイルが入っている可能性があり、逆に健康に影響が出てしまう可能性があるため、購入前に含有量をチェックしましょう。

 

酸化防止対策がされているか

フィッシュオイルは酸化しやすい性質のため、酸化防止の対策がされているか確認しましょう。できるだけ光や空気に触れないようにします。

もともと入っていた容器や袋は、空気や光を遮断できる設計になっており、そのまま使用するのがよいでしょう。

適切に保存しなければ、酸化して風味が落ちるだけではなく、体にも悪影響を与えます。直射日光や高温多湿を避けるなど、注意書きを確認し適切に保存すれば酸化防止が可能です。

 

添加物や安全性への配慮

添加物や安全性に配慮しているものを選びましょう。

健康のためのサプリメントにも関わらず、かえって体にマイナスのものを取り入れたら意味がありません。そのため、一定の品質が保たれたGMP認定のあるものがおすすめです。(12)

 

価格と続けやすさ

フィッシュオイルは継続的に摂取することで効果が期待できるため、価格や購入のしやすさを考慮し、継続しやすいものがおすすめです。

たとえば価格も、どの程度の料金であれば払い続けられるか計算してから商品を選びましょう。

また、遠くのお店まで行かなければならない場合は手間がかかり、途中で続けるのが面倒になることもあります。行きつけのお店やインターネットなどで手軽に購入できるものを選ぶのが継続のポイントです。

 

フィッシュオイルの正しい飲み方と注意点

いくら素晴らしいフィッシュオイルサプリメントでも、誤った方法で飲んでいると効果は得られません。

  • 適切な摂取量とタイミング

  • フィッシュオイルの副作用

  • フィッシュオイルを飲む際の注意点

  • 効果が出ない場合の原因と対処法

以上のフィッシュオイルの正しい飲み方と注意点を、それぞれ詳しく解説します。

 

適切な摂取量とタイミング

フィッシュオイルは、摂取量や飲むタイミングに注意が必要です。

摂取量は、サプリメントそれぞれの適正量を守って飲むようにします。自分の判断で飲む量を変えないようにしましょう。

また、フィッシュオイルの中性脂肪を下げる効果を期待したい場合、夜よりも朝に飲むのがおすすめです。

しかし、フィッシュオイルは薬ではないため、飲むタイミングに決まりはありません。継続が大切なため、忘れないタイミングで飲むのがよいでしょう。(13)

 

フィッシュオイルの副作用

フィッシュオイルには以下のような副作用があります。(7)(14)(15)

  • 血が止まりにくくなる

  • 便がゆるくなる

  • 体が臭くなる

フィッシュオイルに含まれるEPAは、血液を固まりにくくする作用があり、ケガをすると出血が止まりにくくなります。

また、フィッシュオイルを飲むとゲップによる魚くさい口臭や、悪臭を伴う汗がみられますが、いずれも一時的であり軽度です。

適正量を守って飲むようにしましょう。

 

フィッシュオイルを飲む際の注意点

フィッシュオイルを飲む際は、飲み合わせやアレルギーに注意が必要です。

フィッシュオイルには、血液が固まりにくくなるEPAが含まれているため、血液をサラサラにする薬を飲んでいると効果が強くなってしまい、少しの出血でも危険を伴います。(14)(16)

このように、飲み合わせが悪い可能性もあるため、ほかに飲んでいるサプリメントや薬があれば、必ず医師や薬剤師に相談してください。

また、アレルギーのある方は、対象の原材料が含まれていないか確認してから飲むようにします。

アレルギー表示が必要な特定原材料等28品目には、さけやさばなどの魚は記載されていますが「青魚」とは書かれていないため注意が必要です。(19)

 

効果が出ない場合の原因と対処法

フィッシュオイルを摂取しても効果が出ないときは、以下の内容を振り返りましょう。

確認事項

詳細

摂取量は守れているか

  • 自分で判断せず、商品に表示されている摂取量を守る。

  • 継続して摂取する必要がある。

品質は保たれているか

  • 商品に書かれている方法で適切に保存する。

  • 消費期限が切れているものは避ける。

生活習慣は乱れていないか

  • 生活リズムや食生活を整える。

  • 十分な睡眠を取る。

  • 酒やタバコはほどほどにする。

 

摂取量や保存方法を守り、自分で生活習慣を見直すことで、より効果が期待できるでしょう。

 

フィッシュオイルで健康をサポート!正しい選び方と活用法を実践しよう

フィッシュオイルは、EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸が含まれたサプリメントです。心血管疾患のリスクの減少や脳機能の維持向上など、さまざまな効果が期待できます。

また、フィッシュオイルは種類が豊富です。選び方や注意点などに気を付けると、効果的にフィッシュオイルを活用できます。

健康は毎日の積み重ねが大切です。ハツラツとした毎日を送るためにも、日常生活にフィッシュオイルを取り入れましょう。

ヘルスカレッジ栄養編集チームは、管理栄養士や食の専門家が集まり、最新の栄養情報をわかりやすく、毎日の生活に役立つ形でお届けしています。

私たちの目標は、栄養に関する知識をシンプルに説明し、皆さんが健康的な食生活を楽しみながら実践できるようサポートすることです。

参考文献

References

  1. 食事と認知機能(1)【認知症予防】|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
  2. 魚・n-3脂肪酸摂取と虚血性心疾患発症との関連について|国立研究開発法人 国立がん研究センター
  3. Q&A 魚を食べると頭が良くなるの?|福井県
  4. 魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸が皮膚アレルギー反応を抑制する機序の解明|京都大学
  5. オメガ3脂肪酸から産生される抗炎症性脂質メディエーター|東京大学大学院薬学系研究科准教授科学技術振興機構さきがけ 有田 誠|公益社団法人 日本薬学会
  6. オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用と抗うつ効果(総説)|西 大輔|日本生物学的精神医学会誌29巻4号
  7. うつ病とPTSDに対するオメガ3系脂肪酸のエビデンス|西 大輔,松岡 豊|総合病院精神医学 Vol.25,No.3|日本総合病院精神医学会
  8. オメガ3系脂肪酸からうつ病・不安にアプローチする|松岡 豊|日本生物学的精神医学会誌31巻1号
  9. 網膜機能におけるドコサヘキサエン酸(DHA)の役割|お茶の水女子大学理学部生物学科 小林 哲幸
  10. 食品成分データベース|文部科学省
  11. 脂質|厚生労働省
  12. GMPマークを目印に健康食品を選びましょう!|厚生労働省
  13. 魚油をいつ摂取すると、より体に良い?~時間栄養学と効果的な魚油摂取~|日本脂質栄養学会
  14. くすりの話|全日本民主医療機関連合会
  15. 海外の情報|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
  16. コミュニケーション|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
  17. 重症喘息に効く新しい薬を創る!-オメガ3脂肪酸の抗炎症作用-|慶應義塾大学病院 宮田 純
  18. ドコサヘキサエン酸(DHA)代謝物の血管収縮抑制作用|茅野 大介|日本薬理学雑誌|日本薬理学会
  19. アレルギー表示について|消費者庁
  20. 生理の痛みに魚の効果? ~産後に魚の摂取頻度が多い女性は中等度以上の月経痛を有するリスクが低い~|東北医科薬科大学
https://www.health-college.com/article/fishoil