2025/3/12

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EPAの効果を徹底解説!健康と美容への可能性と正しい摂り方

医療編集チーム 医師

公開日

2025.02.21

最終更新日

2025.03.12

健康や美容効果を手に入れるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

「将来の健康が気になるけれど、何から始めたらいいのかわからない」

「いつまでも若々しくいたい」

そんなお悩みを抱える方に、EPAがおすすめです。

健康や美容効果を手に入れるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

 

EPAとは?基本的な知識とDHAとの違い

EPA(エイコサペンタエン酸)はDHA(ドコサヘキサエン酸)とともに青魚に多く含まれ、血液をサラサラにしたり、脳の働きをよくしたりと健康を維持するうえで大切な働きをしています。

 

関連記事:DHAの効果とは?効率的な摂取方法を解説します

 

EPAは体に必要なサラサラ成分

EPAは血液が固まるのを抑える「抗血栓作用」をもつため、血液をサラサラにし、血管・血液の健康を維持してくれます。

また、EPAは「必須脂肪酸」とよばれ、体内でほとんど合成できず青魚やサプリメントなどの食事から意識的に摂ることが重要です。

 

DHAとの違いを徹底比較!効果の違いと相乗効果

EPAとDHAはどちらも青魚に含まれるオメガ3脂肪酸に分類される栄養素ですが、効果にはさまざまな違いが見られます。

EPA

  • 血小板凝集抑制作用

  • 血液をサラサラにする

DHA

  • 脳内に多く存在する

  • 網膜や脳といった神経系に働きかける

 

EPAとDHAをバランスよく摂ることで、血液サラサラ効果と脳へのサポートが同時に得られ、健康維持への相乗効果が期待できます。

 

EPAの5つの健康への効果:科学的根拠に基づく

数々の研究で、EPAが健康に与える多くの効果が明らかになっています。

  1. 中性脂肪・コレステロール値改善

  2. 動脈硬化・高血圧予防

  3. 脳機能の維持・改善

  4. 抗炎症作用

  5. 抑うつ改善効果

本章では上記5つの作用について紹介します。

 

1. 中性脂肪・コレステロール値改善

EPAを含むオメガ3脂肪酸において、HDLコレステロールを上昇させる効果と、トリグリセリド(中性脂肪)を下げる効果が知られています。

中性脂肪が多かったり、HDLコレステロール値が低かったりする脂質異常症は動脈硬化の最大の危険因子です。

EPAの作用により、健康的な脂質バランスの維持が期待できるでしょう。

 

2. 動脈硬化・高血圧予防

EPAを含むオメガ3脂肪酸は、高血圧症といった循環器系疾患に対して予防効果があると報告されています。

また、EPAのもつ血液中の脂質のバランスを良くする働きや血液が固まるのを防ぐ働きにより、動脈硬化を予防する効果も報告されています。

しかし、動脈硬化や高血圧をEPAだけで予防するのは難しく、適切な食事や運動といった生活習慣の改善が重要です。

健康的な生活習慣とEPAの活用で、動脈硬化や高血圧の予防につなげていきましょう。

 

3. 脳機能の維持・改善

EPAを含むオメガ3脂肪酸は脳の特定の部位に作用し、脳の働きに変化をもたらします。

とくに、EPAをたくさん摂るほど、以下の部位に関わる脳の部分が大きくなる傾向があるといわれています。(2)

  • 記憶

  • 空間認知

  • 覚醒

  • 気分や感情の調節

さらに、EPAには抗血栓作用(血液をサラサラにし、血が固まるのをを防ぐ)効果があります。

脳に血のかたまり塊ができると、脳卒中や脳梗塞を引き起こす可能性がありますが、EPAの作用によりによりは、脳への血流が良くなることで、脳の働きの維持や改善にも役立つと期待されています。

 

4. 抗炎症作用

EPAには、炎症を抑える作用をもつ「抗炎症作用」があることがわかっています。

炎症反応は、刺激に対する正常な反応で、時間の経過とともに治まるのが通常です。一方で、炎症が長引いて慢性化すると、生活習慣病の発症に関わることがわかっています。

生活習慣病の予防のためにも、抗炎症作用をもつEPAは日常的に取り入れたい成分といえるでしょう。

また、EPAには筋肉痛を改善する効果や、筋肉の損傷を保護する効果も報告されています。

運動習慣のある方、高いパフォーマンスを維持したい方にもおすすめの成分です。

 

5. 抑うつ改善効果

EPAには、抑うつ改善効果があると報告されています。うつ病が引き起こされる原因の一つとして、体の中で起こる慢性炎症があります。

EPAの持つ抗炎症作用が、抑うつ状態の改善に役立つと考えられているのです。

 

EPAがもたらす肌への影響とエイジングケアの可能性

EPAは肌の保湿力やハリを増やしたりと、肌に嬉しい効果が期待できる栄養素です。

血行促進

・血色がよくなる

・肌のハリが増す

抗炎症作用

肌荒れやニキビの防止

保湿効果

セラミドの材料となり、肌の保湿機能を改善する

 

EPAは、肌の細胞に栄養を届けるための血行を良くし、炎症を抑える働きがあります。その結果、若々しい肌を維持してくれるのです。

 

EPAの効果的な摂取方法【食事やサプリメント】

EPAは体内で十分に作られないため、食事やサプリメントから摂らなくてはなりません。

しかし、EPAは酸化しやすい性質をもっており、調理法によっても成分が失われやすいため、摂り方には工夫が必要です。

本章では、食事でEPAを効率的に摂る方法やどのくらい摂ったらいいかなどをお伝えします。

 

EPAを多く含む食品

EPAは以下の青魚に豊富に含まれています。(1)

食品例

可食部100gあたりのEPAの量

サバ(加工品・開き干し)

1,500mg

マイワシ(生)

780mg

サンマ・皮付き(焼き)

1,300mg

クロマグロ(天然・脂身)

1,400mg

シロサケ・すじこ

2,100mg

 

青魚を食事に取り入れることで、効率的にEPAを摂取できます。魚を調理するのが難しい場合には、缶詰や冷凍食品を活用しましょう。

水煮タイプのサバ缶やイワシ缶はシンプルな素材の味を楽しめて、サラダやパスタに乗せるだけで使えるため、毎日の食事に取り入れやすいアイテムです。

 

食事でEPAを摂るコツ

EPAやDHAといった良質な脂は、調理の際に失われやすいため生のまま食べるのがおすすめです。

実際にグリルで焼くのか、揚げものにするのかといった調理法の違いによって、サンマに含まれるEPAが失われることがわかっています。(3)

調理法

DHAやEPAの損失

グリル焼き

フライパン焼

約20%

揚げもの

約50%

 

EPAの効果を最大限に引き出すためには、刺身や煮魚にして煮汁も食べるようにしましょう。

たとえば、ブリの刺身5~7切れを食べた場合、DHAやEPAを約1g摂ることができます。

EPAは、いわしやまぐろなどにも豊富に含まれるため、寿司やカルパッチョとして楽しむのもおすすめです。

関連記事:オメガ3脂肪酸の含有量が多い食品ランキング

 

1日の推奨摂取量と過剰摂取のリスク

EPAを含むオメガ3脂肪酸は年齢や性別によって、摂取の目安量が異なります。(4)

 

男性の目安量(g/日)

女性の目安量(g/日)

18~29歳

2.0

1.6

30~49歳

2.0

1.6

50~64歳

2.2

1.9

65~74歳

2.2

2.0

75歳以上

2.1

1.8

 

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、EPAを摂る際の上限量は定められていません。

しかし、EPAを含むフィッシュオイルを1日3g以上とった場合に、出血傾向といった副作用が出る可能性があります。

副作用によるリスクを避けるためにも、適切な量を守り、バランスの取れた食生活を意識することが大切です。

 

サプリメントを選ぶ際のポイント

EPAを含むサプリメントを選ぶときは、抗酸化成分の有無やEPAの含有量をチェックしましょう。

EPAは酸化しやすい特徴があり、抗酸化成分であるビタミンEが含まれている製品がおすすめです。

また、18歳以上では1日あたり1.6~2.2gのEPA摂取が推奨されているため、サプリメント1回分の含有量も確認し、自分の普段の食事にあった製品を選びましょう。

 

関連記事:

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DHA・EPAサプリは効果なし?4つの原因と選ぶ際の4つのポイント

 

 

EPAに関するよくある質問

EPAに関する疑問を解消するため、よくある質問をまとめました。効果的なEPAを活用する際の参考にしてください。

 

Q1. EPAはいつ飲むのが効果的ですか?

EPAを摂るのは朝が効果的です。夕食時よりも朝食時に摂取した方が、EPAの血中濃度が高くなり、脂質改善効果も向上することがわかっています。

 

Q2. DHAとEPAは一緒に摂るべきですか?

DHAとEPAは、それぞれ異なる特徴をもつため、バランスよく摂ることをおすすめします。

一緒に摂ると健康維持・美容効果への相乗効果が期待できます。

 

Q3. DHAやEPAのサプリには効果がないですか?

サプリメントでDHAやEPAを摂る場合は、含有量を意識することで効果を実感しやすくなります。

EPAやDHAを含むオメガ3脂肪酸の、成人における摂取目安量は1.6~2.2mgです。

サプリメントの含有量が少ないと、食事から摂れる分と合わせても摂取目安量に届かない場合やEPA、DHA以外の余分な脂を摂ることになり、逆に健康を害する可能性があります。

 

Q4. DHAやEPAは自律神経に効果がありますか?

DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸は、ノルアドレナリン、ドーパミンなど情動に関わる神経を調節し、自律神経を落ち着かせてくれる効果があるとされています。

自律神経のバランスが崩れると「疲れやすい」「うまく眠れない」といった不調に悩まされる場合があるのです。

バランスよくオメガ3脂肪酸を摂り、心も体も健康な状態をめざしましょう。

 

EPAを効果的に摂取して、健康と美容に活かそう

EPAは健康や美容に対する多くの効果が期待できる成分です。

さらに、美容面でも肌の保湿力を高める効果があり、エイジングケアにも有用な成分です。

青魚に豊富に含まれるEPAは、血液をサラサラにし、脂質のバランスを整える効果や抗炎症作用などが科学的に証明されています。

これらの効果を実感するためには、食事やサプリメントを上手に活用し、EPAを効果的に摂取することが大切です。

EPAを積極的に摂取し、健康と美容のサポートに活用してみてはいかがでしょうか。

ヘルス医療編集チームは、医師や医療関連の専門家が集まり、最新の医療知識をわかりやすく、日常生活に役立つ形でお届けしています。

私たちの目標は、正しい医療情報をシンプルに伝え、皆さんが健康的な生活を実践できるようサポートすることです。

参考文献

References

https://www.health-college.com/article/epa-effect